Windows用簡易パッケージマネージャー
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Windows用簡易パッケージマネージャー

rptは、Ros4Win用に開発した簡易パッケージマネージャーです。Ros4Winパッケージの検索、インストール、アンインストール、アップデートなどが実行可能です。
rptでは、パッケージの依存関係の管理として ROSの package.xmlを利用しており、パッケージは、tar+gzでアーカイブされています。
rptでは、OpenRTM-aist、OpenHRIの関連ツール群も利用することができます。

rptの準備

rptパッケージを利用するには、パッケージ自体は tar+gzでアーカイブされていますので、Windowsのコマンドプロンプトからの展開には、特に追加のソフトウェアをインストールする必要はありません。
Windows10では、すでに標準インストールされているTARコマンドで展開することができます。ただし、単にTARコマンドで展開してもインストール履歴の管理やパッケージ間の依存関係を解決することができません。
拙作のrptコマンドでは、rptパッケージ内のpackageXX.xmlを検索し、解釈することで依存関係を解決し、ダウンロード&インストールすることができます。
rptコマンドは、githubで公開していますので、
 > git clone https://github.com/haraisao/rpt
Cloning into 'rpt'...
remote: Enumerating objects: 389, done.
remote: Counting objects: 100% (389/389), done.
remote: Compressing objects: 100% (315/315), done.
remote: Total 389 (delta 135), reused 318 (delta 68), pack-reused 0Receiving objReceiving objects:  92% (358/389), 10.11 MiB | 4.96 MiB/s
Receiving objects: 100% (389/389), 13.34 MiB | 5.51 MiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (135/135), done.

でダウンロードすることができます。
rptコマンドは、python3で実装しており、python3の実行環境(組込み版でも可)が必要となります。
rptコマンドのダウンロード後、初期セットアップを行います。rptの初期セットアップは、リポジトリからパッケージ情報のリストをダウンロードします。
 > cd rpt
 > rpt update
Download pkgs.yaml:|==========>|(100%) |
No update

以上で準備完了です。

rptコマンドの使用

rptコマンドは、リポジトリ(現在は、私の準備しているもののみ)からパッケージの一覧表示、検索、インストール、アップデート、削除を行うことができます。
rptで利用可能なコマンドは以下の通りです。
  • check: 引数で指定したパッケージ名がインストールされているかを確認
  • list: rptコマンドでインストールしたパッケージの一覧を表示
  • update: リポジトリのrptパッケージ情報のアップデート
  • upgrade: 更新されたrptパッケージを更新
  • remove: 引数で指定したパッケージの削除
  • install: 引数で指定したパッケージのダウンロードとインストール
  • search: リポジトリのパッケージの検索
rptパッケージでインストールは、rptコマンドがあるドライブにインストールされます。
また、rptコマンドで updateコマンドを実行すると、更新が必要なパッケージを表示します。そのため、rptコマンドを利用する限り、最新のパッケージへの更新は、updateおよびupgradeコマンドのみで実行可能です。
 > rpt update
 > rpt upgrade

rptによるRos4Winのインストール

現在のrptパッケージとして、Ros4Win(Windows版のros melodic)とOpenRTM-aist-1.2.1をインストールすることができます。
Ros4Winは、Visual studio 2017でコンパイルしたライブラリとPython3.7を使ったライブラリ、ツール群からなっています。現在は、desktop、planおよびgazeboのパッケージが利用可能です。desktopのインストールには、下のように行います。
 > rpt install desktop
以上のコマンドでros(melodic)がインストールされます。

rptによるOpenRTM-aistのインストール

OpenRTM-aistのインストールは、通常、msi形式のインストーラを実行しますが、このインストーラでは、サポートしているすべてのライブラリがインストールされてしまいますので、余計なディスク容量が必要になります。rptパッケージでは、使用するVisual Studioのバージョンに応じたインストールが可能です。
ただし、rptパッケージでは、Pythonの実行環境をRos4Winと共有しますので、Python3.7を利用することになります。
例えば、Visual Studio2019の実行、開発環境の場合には、下のコマンドを実行します。
 > rpt install OpenRTM-aist-vc14
このパッケージには、OpenRTPが含まれておりません。RtcBuilder, RT System Editorを利用する場合には、下の通りrtpでインストールしてください。
 > rpt install OpenRTP
また、Python版のインストールには、
 > rpt install python-openrtm
rptパッケージでOpenRTM-aistをインストールした場合、オフィシャルのインストーラとは異なった場所にインストールされます。
すなわち、rptコマンドがDドライブに展開されている場合には、
D:\local\OpenRTM-aist
にインストールされることになります。
そのため、通常の手順(RtcBuilderによる開発)では、cmakeが正常に動作しない場合がありますので、注意してください。
rptパッケージでインストールした場合には、拙作の別のビルドシステムを推奨しています。
また、OpenRTM-aistのコミュニケーション知能パッケージであるOpenHRIの最新版は、、rptパッケージとなりました。
OpenHRIをインストールする場合には、
 > rpt install OpenHRI
としてください。このパッケージをインストールするとOpenHRIをビルドするための関連ライブラリもインストールされます。