PortableRTM-1.2.0
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OpenRTM-aist-1.2.0(RC1)をポータブル化

OpenRTM-aistの1.2.0RC1が公開されましたので、インストーラなしで開発環境を構築してみました。
OpenRTM-aistのインストーラは、msi形式ですので、msiexec コマンドで簡単に展開することができます。ただし、インストーラは、すべてのバージョンのバイナリが梱包されていますので、msiexecですべて展開するとPython用のバイナリが上書きされてPython3.6用のものに上書きされてしまいました。
msiの展開は
start /wait /a OpenRTM-aist-1.2.0-RC1_XX.msi targetdir="C:\temp" /qn
で C:\temp に展開されます。
このページに添付したアーカイブをダウンロードし、適当なフォルダの下に展開すれば、OpenRTPを用いて開発、テスト実行まで行うことができます。
展開する場所はどこでも良いと思いますが(USBメモリ上でも可)、Visual Studio 2017(または2015, 2013)が必要になりますし、Visual C++ でコンパイルできるようにしておく必要があります。
特にVisual Studio 2015, 2013のExpress版では、64ビットのアプリケーション開発はできませんので、Professional版をご使用ください。
Visual Studio 2015 Professional は、CMakeが動作しないという不具合があるようです。CMakeLists.txt に
set(CMAKE_SYSTEM_VERSION 10)

という一行を付加する必要がありますが、現在のバッチファイルでは、外部オプションの指定で対応しています。

準備

Visual Studioのインストール

まずは、Visual Studio 2017 または 2015をダウンロードし、インストールしてください。現在は、Community版は、Visual Studio 2017しかダウンロードできない様ですので、64ビット版を利用する場合には、Visual Studio 2017 をインストールしてください。
ここで気を付けたいただきたいことは、現在のVisual Studioのデフォルトインストールでは、C++の開発環境はインストールされません。そのため、明示的にC++の開発環境を選択して、インストールする必要があります。

必要なパッケージのダウンロード

OpenRTM-aistポータブル版をインストールするには、このページに添付されているアーカイブをダウンロードし、適当なフォルダに展開する必要があります。
このページには、CMakeとPython3.6.5も用意していますが、本来であればオフィシャルサイトからダウンロードする必要があります。
また、このページからダウンロードした時点で、各ソフトウェアの使用許諾は承認したものと致します。

添付ファイルについて

このページに添付されているファイルは、下記のようになっています。
  • 共通
    • batch_files.zip: OpenRTPやコンポーネント開発用のバッチファイル群
    • ext_commands.zip: OpenRTPからバッチファイル群を操作するための外部ツール定義ファイル
    • pRTM_Installer.py: Pythonで作成した、簡易インストーラ(要 Pythonの実行環境)。
  • 32bit版
    • OpenRTM-aist-1.2.0-x86-common.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 32ビット版共通ファイル群
    • OpenRTM-aist-1.2.0-x86-components.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 32ビット版のインストーラに同梱されたコンポーネントサンプル
    • OpenRTM-aist-1.2.0-x86-vc12.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 Visual Studio 2013 32ビット用のライブラリ群
    • OpenRTM-aist-1.2.0-x86-vc14.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 Visual Studio 2015 32ビット用のライブラリ群
    • OpenRTM-aist-1.2.0-x86-vc141.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 Visual Studio 2017 32ビット用のライブラリ群
    • OpenRTM-aist-utils-x86.zip: OpenRTP, rtc-tamplateなどの共通ツール群
    • Python36-x86.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 Python版、rtshellを含んだ 32ビット版Python実行環境
    • cmake-3.11.2-x86.zip: 32ビット版 cmake
  • 64bit版
    • OpenRTM-aist-1.2.0-x64-common.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 64ビット版共通ファイル群
    • OpenRTM-aist-1.2.0-x64-components.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 64ビット版のインストーラに同梱されたコンポーネントサンプル
    • OpenRTM-aist-1.2.0-x64-vc12.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 Visual Studio 2013 64ビット用のライブラリ群
    • OpenRTM-aist-1.2.0-x64-vc14.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 Visual Studio 2015 64ビット用のライブラリ群
    • OpenRTM-aist-1.2.0-x64-vc141.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 Visual Studio 2017 64ビット用のライブラリ群
    • OpenRTM-aist-utils-x64.zip: OpenRTP, rtc-tamplateなどの共通ツール群
    • Python36-x64.zip: OpenRTM-aist-1.2.0 Python版、rtshellを含んだ 64ビット版Python実行環境
    • cmake-3.11.2-x64.zip: 64ビット版 cmake
runtime-x86.zip, runtime-x64.zipは、実行用の共通ライブラリ群ですので、特に必要ないと思います。

簡易インストーラによるインストール

添付ファイルの共有にある簡易インストーラ(pRTM_Install.py)を利用すると、PotableRTMに必要なファイルのダウンロードと指定フォルダへの展開を簡単に実行することができます。
pRTM_Install.pyをダウンロード後、コマンドプロンプトを開き
> python pRTM_Installer.py 1.2.0 <x86 または x64> <ダウンロード用ディレクトリ> <インストールディレクトリ>
なお、ダウンロードディレクトリとインストールディレクトリを省略した場合には、実行したフォルダの直下に tmp_x86(または tmp_x64)をダウンロード用ディレクトリとし、PortableRTM_x86(またはPortableRTM_x64)をインストールディレクトリとします。

32ビット版の場合の手動インストール

32ビット版のOpenRTMをご使用の場合には、「共通」および「32bit版」にある添付ファイルをダウンロードしてください。「32ビット版」の添付ファイルのうち、下記のファイルは、ご使用のVisual Studioのバージョンに合わせたもののみで結構です。
  • OpenRTM-aist-1.2.0-x86-vc12.zip
  • OpenRTM-aist-1.2.0-x86-vc14.zip
  • OpenRTM-aist-1.2.0-x86-vc141.zip
必要なファイルをダウンロード後、すべてのファイルを、どこかのフォルダに展開してください。コマンドプロンプトから powershallのExpand-Archiveコマンドを使って
for %i in  (*.zip) do powershell Expand-Archive  %i <展開するフォルダ> -Force
とすれば簡単に展開することができます。
例えば、USBメモリがドライブ E: にあり、E:\PortableRTM として作成する場合には、
for %i in (*.zip) do powershell Expand-Archive %i E:\PortableRTM -Force
とすれば、すべて E:\PortableRTM の下に展開されます。

64ビット版の場合の手動インストール

64ビット版のOpenRTMをご使用の場合には、「共通」および「64bit版」にある添付ファイルをダウンロードしてください。「64ビット版」の添付ファイルのうち、下記のファイルは、ご使用のVisual Studioのバージョンに合わせたもののみで結構です。
  • OpenRTM-aist-1.2.0-x64-vc12.zip
  • OpenRTM-aist-1.2.0-x64-vc14.zip
  • OpenRTM-aist-1.2.0-x64-vc141.zip
必要なファイルをダウンロード後、32ビット版と同様にどこかのフォルダに展開してください。

OpenRTPの起動および起動ツールの設定読み込み

次に、OpenRTPを起動し、初期設定を行います。PortableRTMでは、OpenRTPの外部ツール設定に、RTCのビルドと実行のためのバッチファイルの呼び出しを追加して、RTCの開発を行うようにしています。
Visual Studio 2017を使う場合には、OpenRTP_vs2017.batを起動してください。OpenRTPは、初回起動時には時間がかかる場合がありますので、ワークスペースの選択のダイアログが出てくるまで気長にお待ちください。

現在は、デフォルトでは、PortableRTMのフォルダの直下にworkspaceを作成するようになっています。

OpenRTPの起動後、外部ツールの設定を行うために、[ファイル][インポート...] を選択してください。
下図のようなダイアログがあられますので、[実行/デバッグ] の下の [起動構成] を選択し、 [次へ] を押下します。


すると、[起動構成のインポート] のダイアログが出ますので、[参照...] のボタンを押下して、E:\PortableRTM\ect_commands を選択して下さい。


次に、ext_commands の前のチェックボックスを選択して、[終了(F)] を押下すれば、設定完了です。

以上で設定は完了です。
下記のアイコンを押下して外部ツールがインストールされていることを確認してください。


引き続き、RTCビルダを使ってRTCを作成していきます。

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32bit版


64bit版