準備とインストール(Ros4Win)
USBメモリにROS for Windows(Ros4Win)をインストールして使う場合には、Windows10が動作するPCと8GB以上のUSBメモリが必要になります。また、開発環境を動作させるためには、Visual Studio 2017 CommunityにVisual C++をインストールしておく必要があります。
- ''準備するもの''
- Windows10が動作するPC(インターネットにアクセスで起用にしておいて下さい)
- Visual Studio 2017 Community + Visual C++
- 8GB以上のUSBメモリ(高速な読み書きができるものが望ましい)
Ros4Winのインストール
Ros4Winのためのサードパーティライブラリについて
ROSのパッケージを動作させるには、さまざまなライブラリが必要です。Ros4Winでは、下のライブラリをインストールすることができます。
- ASSIMP.tgz
- Open Asset Import Library(モデルファイルの読込に使います)
- Eigen3.tgz
- 行列計算のためのライブラリです
- Graphviz-2.38.tgz
- ノードの構成図などのグラフ作成用のライブラリとツール群です。
- Python37.tgz
- Python3.7.1の実行環境です。ROSに必要なcatkin_pkgやnumpy,matplotlibなどがすでにインストールされています。
- Qt5.tgz
- Qt5.12.0の実行、開発環境です。実際に使わなそうなツールやドキュメントを省いています。
- SDL2.tgz
- SDL2(Simple DirectMedia Layer version 2)ライブラリです。
- SDL2_image.tgz
- SDL2の画像読込ののライブラリです。
- TinyXML.tgz
- 軽量XMLパーザです。
- TinyXML2.tgz
- 軽量XMLパーザです。TinyXMLの後継になります。
- boost_1_68_0.tgz
- boostライブラリです。(version 1.68.0) C++言語における便利なライブラリ群です。
- bullet3.tgz
- bullet3(Bullet Physics SDK)のOSS版をビルドしたものですが、最低限しかありません。
- bzip2.tgz
- ファイルの圧縮のためのライブラリです。
- clink.tgz
- コマンドプロンプトの拡張です。引数の補完などができます。(一部ですが)
- cmake-3.13.1-win64-x64.tgz
- cmake 3.13.1です。
- curl.tgz
- データ転送のライブラリとツールです。curlコマンドはWindows10ではすでに標準で入っています。
- flann-1.8.4.tgz
- 高速最近傍店探索ライブラリです、
- freeglut.tgz
- GLUT(OpenGL Utility Toolkit)のフリー版です、
- glew2.2.tgz
- GLEW(OpenGL Extension Wrangler Library)です。
- log4cxx.tgz
- ログ記録のためのライブラリです。
- lz4.tgz
- データ圧縮ライブラリです。
- ogre-1.10.12.tgz
- OGRE(Object-Oriented Graphics Rendering Engine)。3Dのシーンレンダリングのライブラリです。
- ompl-1.4.2.tgz
- Open Motion Planning Libraryです。
- opencv-3.4.5.tgz
- Open Computet Visionライブラリです。
- pcl.tgz
- Point-Cloud Libraryです。
- qhull.tgz
- 3次元モデルの凸包モデルを計算するためのライブラリです。
- yaml-cpp.tgz
- YAMLデータのパーザです。
以上のライブラリは、
に置いています。
これらのライブラリは、展開するドライブは任意ですが、\localの下に展開されることを想定しています。つまり、D:ドライブにRos4Winをインストールする場合には、D:\localに展開する必要があります。
Ros4Winで用意しているROSパッケージ
Ros4Winでは、メタパッケージとして、ros_base, ros_desktop, control, plan, navigation, robot, setup があります。各メタパケージは、下記の通りです。
- ros_base
- 開発コマンド(catkin)や基本的な通信、ノード生成を行うためのパッケージ群です。
初心者の方は、すべてインストールしてください。 - ros_desktop
- rqt,rvizなどの一般的なツール群や各種チュートリアルを含むパッケージ群です。
初心者の方は、すべてインストールすることをお勧めします。 - control
- コントロールインターフェース、コントロールマネージャーなど、一般的な制御に必要なパッケージ群です。
このパッケージは、ロボット制御を行うためには、必須となります。planメタパッケージを利用するには、インストールしてください。 - plan
- moveitをはじめマニピュレータを制御するためのパッケージ群です。
逆キネマティクスの計算や動作計画のためのパッケージも含まれています。Ros4Winでは、株式会社アールティ製のcrane x7の動作確認を行っています。 - navigation
- map_serverなど移動ロボットの動作に必要なパッケージ群です。
- robot
- 各種ロボットのデバイスドライバなど低レベルの制御用パッケージ群です。
Ros4Winでは、Dynamixel社のモータ制御ライブラリのみを用意しています。 - setup
- Ros4WinのセットアップやROSノードを動作させるためのスクリプト群です。Ros4Winでは、必須のパッケージです。
各パッケージは、
http://hara-jp.com/pub/ros_pkg/<メタパッケージ名>
に置いています。すべてのパケージは、\opt の下に展開されることを想定していますので、Ros4WinをインストールするドライブがD:ドライブの場合には、tarコマンドなどで D:\optに展開してください。
現在用意しているパッケージは、サードパーティライブラリを含めて310個ありますので、手動で個々のファイルをダウンロードし、展開するのは大変だと思いますので、初期インストールのためのバッチファイルと各パッケージの管理のための簡易パッケージマネージャーを用意しています。
初心者の方は、インストールスクリプトをご利用ください。
Ros4WinをUSBメモリにインストールする
ここでは、Ros4Winを install_ros4win.bat を利用してUSBメモリにインストールする方法を説明します。
まず、添付されている ros4win.zipをダウンロードして、適当な場所(C:\work としておきます)に展開します。
また、Ros4WinをインストールするUSBメモリをPCに挿入ます。この時のUSBメモリは、''D:''ドライブと仮定します。
次にコマンドプロンプトを開き、展開した場所に移動し、インストールバッチファイルを実行してください。
まず、添付されている ros4win.zipをダウンロードして、適当な場所(C:\work としておきます)に展開します。
また、Ros4WinをインストールするUSBメモリをPCに挿入ます。この時のUSBメモリは、''D:''ドライブと仮定します。
次にコマンドプロンプトを開き、展開した場所に移動し、インストールバッチファイルを実行してください。
C:\> cd \work\ros4win
C:\work\ros4win> install_ros4win.bat D:
このコマンドを実行すると現在のディレクトリの下に、ros4win_pkgというディレクトを作成して、すべてのパケージをダウンロードした後に、D:ドライブに Ros4Winをインストール(パッケージの展開)を行います。
パッケージは、310個で約1.1GB、展開後は、ライブラリ 3.7Gバイト、ROSパッケージ720Mバイトくらいになります。
そのため、USBメモリは、比較的高速のものを推奨いたします。確認したところSanDisk社製のエクストリームプロ(128GBで6000円程度)という製品がお勧めなのですが、同社のクルーザーフィットという製品(64GBで1500円程度)でも動作には、支障がないと思います。
簡易パッケージマネージャー r4wpkg.exeについて
現在のRos4Winでは、r4wpkg.exeという簡易パッケージマネージャーを用意しています。
このコマンドは、python3で実装しており、パッケージリポジトリのサーバーと連携動作し、パッケージのダウンロード、インストール、アンインストールを行うことができます。
このコマンドは、python3で実装しており、パッケージリポジトリのサーバーと連携動作し、パッケージのダウンロード、インストール、アンインストールを行うことができます。
また、各パッケージの依存関係やダウンロードしたライブラリのアップデートの確認等も可能ですが、まだ開発途中のためLinuxのaptコマンドほど高機能ではありません。今後コマンドのアップデートによりより細かいパッケージの制御が行えるように したいと思います。
Ros4Winのセットアップ
Ros4Winのcmakeファイルやpythonスクリプトには、絶対パスが記入されているものが非常に多くあります。USBメモリ上にあるRos4Winを利用するには、このドライブ名を現在のドライブ名に変更する必要があります。
Ros4Winでは、各ファイルのドライブ名を一括変換を行うためのバッチファイル (resetRosEnv.bat) を用意していますので、初めて利用される場合およびドライブ名が変更になった場合には、必ず実行してください。
以上でRos4Winのインストールは終了です。次は、ROSでプログラムを作成、実行するための環境設定に進みます。
資料
添付ファイルなし